お墓のQ&A – お墓の形や石の種類

お墓の内部はどうなっていますか?

お墓のかたちや地域により異なりますが、基本的にはお墓の内部(下部)に納骨室と呼ばれるお骨を納める部屋があり、納骨室の底は、基礎などをせず、土の状態のままになっています。

基礎をしない理由は、火葬場からお遺骨をもって帰られる際に壷に納めますが、関西では、そのお骨を壷から「さらしの袋」に入れ替えてお墓へ納めます。年月とともにさらしとお遺骨は風化して土に還ると言われております。
これは、お骨を”自然に還す”という意味があります。

お墓の形に決まりはあるの?

どのような形が良いとか悪いとか決まりはありません。

お墓の形は、時代と共に変化しており、とくに近年では、自由な感覚のデザインが増えてきています。

最もポピュラーなのは和墓ですが、こだわる必要はないと思います。故人や自分の個性を活かすのもいいですし、周りの意見や状況にあわせる形でも良いと思います。
結果的にご自分やご先祖様、亡くなった方にも納得していただけるような判断をしたいものです。

お墓の代わりに木(木碑)を立てて埋葬しているが、建て替えのタイミングはいつ?

石でお墓を建てずに埋葬する方法として木碑がありますが、これは、もともとはまだ土葬が行われていた時代の名残です。

埋葬後、遺体が風化し、地盤が落ち着いてから(大体6年後:七回忌)石で作ったお墓を建てるというものです。現状はほとんどが火葬ですし、お墓の下に基礎工事もしますので、建て替えについて特に基準はありません。

良い石、悪い石はどこで見分けるのですか?

良し悪しは、石の質で決まります。

質とは、硬さ、粘り、吸水のことを指します。硬さ、粘りについては、実際叩き割ることはできませんので、簡単に見分けるのは吸水についてがわかりやすいでしょう。

水を吸っている石は、巻石やお墓の下のほうが上のほうよりも色が濃くなり、模様ができているように見えます。一度、霊園、墓地で見てみてください。

ただ、水を吸わない石はないですし、値段が高いから水を吸わないというわけではありません。あくまで石種ごとの性質です。そこにどこまでこだわるかは、お客様ごとに違います。

安い石は年月が変わると色が変わるのですか?

必ずしもそうとはいえません。

色が変わる(質の悪い)石が、安いというわけではございませんし、かえって値段が高いからと言って質がよいとも限りません。分かりやすく言うと。墓石の価格は石種の良し悪しだけで決まるのではないということです。

値段の高い石が品質がよいとは限りませんが、極端に安い石は加工費等さえも削減している場合がありますので、注意が必要です。

中には、お手ごろな価格であっても、お勧めできる石種もございますので、ご相談下さい。

国内産の石と外国産の石とどう違うのですか?

さまざまな石種がありますが、外国産、国内産というくくりでは、国産の石は日本の風土の中で長い年月使われてきた実績がございます。かと言って外国産では安心できないということではございません。国産でも外国産でも個別の石種として見ると質の良い石、悪い石がございます。ひとくくりに質と申しましても硬さ、粘り、吸水、石目等たくさんの基準がありますので、詳しくは石屋さんにお尋ねください。

同じ石の種類でも採掘時期ごとに石目、色等違う場合があるのか?

確かに違います。

石は自然のものですので、毎回同じ石目が取れるとは限りません。

耐久性の良い石はどれですか?

一般的に耐久性の良い石というのは、硬くて水を吸いにくい石のことをいいます。

国産では、「天山石」や「内垣石」。外国産では「1704」や「アーバングレー」などが代表的です。

水を吸う石はだめなんですか?

石材にとって水を吸うことは良いこととはいえません。

水を吸うことで、石の中にある鉄分と化合し、サビや変色の原因になります。また、水を吸っているところだけが濃くなりますので、見映えも気にされる方が多いです。

しかし、水を吸わない石はありません。石の表面には「細孔」と呼ばれる細かい穴があり、そこから水分、空気等が出入りしています。どのくらい吸うかというのは同じ石でも石種により異なります。また同じ石種でも産出条件により異なる場合もあります。

水の「吸いやすさ」とともに「はきやすさ」という基準もあり、判断が難しいところですので、石屋さんのお話をよく聞いていただくことをお勧めします。

黒色の墓石はよくないと聞いたのですが?

黒い石でお墓を建ててはいけないということはありません。

仏教ではあらゆる色を尊重しているそうです。基本となる色は5色「赤・青・黄・白・黒」で、この色すべてが全世界を表しているということです。だとすると「黒い石はお墓に良くない」というのはおかしな話です。

お好きな色の石碑を建てられたら良いと思います。各地域で、どの石をお墓に使用するかということは、昔は原産地からの運送条件が一番のポイントでした。関西では周辺で黒い石がほとんど採れなかったので、関西は白みかげ中心、関東は黒みかげ中心ということになり、関西では黒い石がほとんど使われなかったので、「黒い石はよくない(縁起が悪い)」といったような俗説につながったようです。
関東、東北では半数か、それ以上が黒色の墓石です。

お墓に絵や写真を入れることが出来ますか?

出来ます。

従来の技術では絵や写真を簡略化して石に直接彫りこむことしか出来ませんでしたが、当社に関して申しますと、現在の技術では

  1. ファントーニ立体彫刻
  2. 象嵌
  3. 写真や絵をセラミックに焼き付けてお墓に施工する
  4. ガラス彫刻でお墓に施工

の、主に四つの方法で実現します。
施工方法や、出来栄えは石材店によりかなりの差がありますので、各石材店にてよくご相談ください。

五輪塔って何ですか?

主に鎌倉時代に普及し、現在は先祖の供養塔として建てられているお墓のことです。

宝珠・半月・三角・丸・四角の五つの石を組み合わせたお墓です。詳しく書くと大変な文字数が必要になりますので、簡単に申しますと、仏教(主に密教)で言う宇宙を構成する五大要素「空・風・火・水・地」を表したものといわれています。また五十回忌、もしくは三十三回忌を過ぎて「成仏」したご先祖を祀るものともいわれます。

五輪塔に彫刻する文字については各宗派により違いがありますので、注意が必要です。 供養塔としての五輪塔を墓地の向かって右に、お骨を納める代々墓をその左側に配置してお墓を建てるのが本来のお墓の形であると言う方もおられます。

お墓の形は宗派により決まっているのですか?

宗派により決まっているということはありませんが、お墓に彫る文字に関してはこの宗派はこんな傾向が強いということや、宗派により、この文字は使用しない、といったような事はあります。

また仏教以外では神道のお墓は形状が違います。キリスト教も、いわゆる洋式のお墓で建立されることが多いです。

お墓の寸法に決まりはあるのですか?

決まりはありませんが、基準となる寸法は和墓の場合は存在します。いわゆる八寸碑、九寸碑、一尺碑といったものです。

しかし同じ八寸碑であっても地域により、形状やバランスが微妙に異なりますので、現物を良く見ていただいて判断すればよいと思います。最近は石碑の大きさ、高さともに墓地の広さや、周囲の状況に合わせてCAD図面にてご検討いただくことが多くなっています。